MBSR(マインドフルネスストレス低減法)とはマインドフルネスを通じてストレスを低減する8週間のプログラムです。アメリカのジョン・カバットジン博士が1979年に開発しました。
この記事ではマインドフルネスの代表的プログラムであるMBSR(マインドフルネスストレス低減法)について、医師・MBSR講師である著者が解説します✏️
著者プロフィール
植田真史 医師・MBSR講師📖
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MBSRとは?
MBSRとはMindfulness-based Stress Reductionの略で、日本語訳はマインドフルネスストレス低減法といいます。
MBSRはセミナーのような講義主体のものではなく、8週間かけて瞑想やヨーガの練習・実践を行い、自らの体験や他の参加者との相互作用を通じて学びを深めていく非宗教的なプログラムです。
生きている限り避けられない様々なストレスに対応する方法を学び、またその過程で人生を多面的に見直す機会が得られます。
MBSRはアメリカで分子生物学を研究していたジョン・カバットジン(Jon Kabat-Zinn)博士により1979年に開発され、マサチューセッツ大学医学部でスタートしました。その後に続く多くのマインドフルネス関連プログラムのルーツとなっています。
ジョン・カバットジン博士
ジョン・カバットジン(Jon Kabat-Zinn)は1944年、医学者の父と画家の母の間に生まれました。
1971年に名門マサチューセッツ工科大学(MIT)で分子生物学の博士号を取得。指導教官はノーベル生理学・医学賞を受賞したサルバドール・ルリアだったとのことです。
学生時代にMITで禅僧の講演を聴いたのがきっかけで瞑想に出会い、その後も瞑想やヨーガの実践を続けていたそうです。
自身の経験から、瞑想やマインドフルネスが人々のヘルスケアに役立つことに思い至ったカバットジンは1979年、マサチューセッツ大学医学部(MITとは別の大学)にストレス低減クリニックを創設しました。
そこでストレス低減・リラクゼーションプログラムを提供開始。
これがMBSR(マインドフルネスストレス低減法)の前身となりました。
MBSRの内容
MBSRは8週間かけて行われるグループプログラムで、一度のプログラムに20人〜30人程度が参加します。
プログラムは以下の要素からなります。
◯毎週1回のセッション(それぞれ約2.5時間、計8回)
◯終日セッション1回(約7.5時間)
◯毎日の自主練習(瞑想やヨーガ、日常のプラクティス)
◯記入形式の課題
それぞれ解説していきます✏️
毎週1回のセッション
8週間毎週行われるセッションで、体験や対話を通じて学びを深めていきます。
1回のプログラムはおよそ2時間半程度です。
ここで学んだ瞑想の方法をガイド音源に合わせて自宅で実践し、さらにその体験を次回のセッションで共有することで、様々な角度から自身の経験や物事の捉え方に向き合うこととなります。
終日セッション
第6回のセッションと第7回のセッションの間に、朝から夕方まで約7時間半の終日セッションがあります。
この日は参加者同士お互いに言葉を交わすことなく行われます。
これにより自身の内面に向き合い、集中的にプラクティスに取り組む環境がもたらされます。
1日版のリトリート(瞑想合宿)と言ってもよいかもしれません。
自主練習
自宅での練習(プラクティス)は大きく2つに別れます。正式なプラクティスと、日常のプラクティスです。
正式なプラクティス
正式なプラクティスには次のものがあります。毎日およそ45分の時間をとって行います。
初めは配布される音源に合わせて、終盤に近づくと音源なしでの練習を行います。
・体の感覚を観察するボディスキャン
・座って行う静坐瞑想
・ポーズを取りながら気づきを養うヨーガ(立位/臥位)
日常のプラクティス
日常のプラクティスでは、日常動作の中でマインドフルネスを実践します。例えば以下のものがあります。
・マインドフル イーティング(マインドフルに食事をとる)
・マインドフル リスニング(相手の話を、マインドフルに聞く) など
その他、歯磨きやシャワー、洗顔など、日常動作を一つ決めて、毎日マインドフルに行ってみるということも提案されます。
記入形式の課題
各セッションの間には記入形式の課題が出されます。課題には以下のようなものがあります。
・プラクティスの実施記録
・9点パズル
・嬉しい出来事カレンダー
・不快な出来事カレンダー
・困難なコミュニケーションカレンダー など
この記事ではプラクティスや課題の詳細は割愛させていただきますが、別の解説記事を随時追加していきます!
MBSRに関する本
MBSRのことをもっと知りたい方のために、代表的な書籍をご紹介します。
マインドフルネスストレス低減法
カバットジンのFull Catastrophe Livingという本の和訳です。MBSRの原典というべき存在。単にMBSRの流れを追うだけではなく、語りかける口調で読むほどに気づきが深まる名著です。
ちなみに英語では改訂版が出ています(未邦訳)。
4枚組のCDで実践するマインドフルネス瞑想ガイド
MBSRで行われるボディスキャン・静坐瞑想・立位のヨーガ・臥位のヨーガの音源CDが付属しており、プログラムの流れの解説もついています。自宅でMBSRの流れを体験してみることができます。
以下の記事ではこれらの本についてもう少し詳しく書いていますので、参考にされてください。
MBSRを受講するには?
さらに興味を持っていただいた方に向けて、MBSRを開催している団体をご紹介します。
上記の本でも流れを体験することはできますが、やはり実際に講師や他の参加者との交流を通じて得られる深い体験は何物にも替えがたいものがあります。
本来対面プログラムであるMBSRですが、昨今のパンデミックの影響で2021年6月現在はオンラインが主流です。
ここでは日本語でMBSRプログラムを開催している団体をいくつかご紹介します(順不同)。
現時点では日本語(または日本語通訳付き)でのMBSRの開催団体は非常に限られています。料金は6万円〜9万円程度となっています。詳細は各団体のホームページをご覧ください。
MBSR研究会
東京マインドフルネスセンター
インターナショナルマインドフルネスセンター
UCSD Center for Mindfulness
Home of Mindfulness
Home of Mindfulnessは私です(笑)
オンラインでMBSRを開催しております。
以下の無料のオンライン体験会も開催しておりますので、お気軽にご参加ください😊
文字で読んでも実際に体験してみないと分かりにくいですよね😅
詳細は以下のリンクからご覧ください😊
最後までお読みいただきありがとうございます!