MBSR(マインドフルネスストレス低減法)に興味があるけど、なかなか一歩を踏み出せない…
どんなことをするのか気になる…
このシリーズではそんなあなたのために、医師・MBSR講師である著者が、8週間のMBSRプログラムでは具体的に何をするのか週ごとに説明していきます✏️
今回の記事では前回の記事で書いたオリエンテーションに続き、実際のプログラムの第1週についてその概要を説明していきます!
前回の記事↓
(※本シリーズは米国Brown大学のMBSRカリキュラムガイドを参考に作成しました。講師の裁量でこの通りにならない場合もありますので、ご了承ください🙇♂️)
まずはMBSRの全体像を知りたいという方はこちらの記事をどうぞ。
著者プロフィール
MBSR第1週の内容
MBSR第1週のコンテンツは以下の通りです。
◯オープニングのプラクティス
◯マインドフルネスの定義を再確認
◯参加のガイドラインを再確認
◯何があなたをMBSRに連れてきたのでしょうか?
◯グループでのシェアリング
◯立位のヨーガ
◯レーズン・エクササイズ
◯ボディスキャン
◯家庭でのプラクティスの確認
オープニングのプラクティス
MBSRは毎回プラクティス(座って行う瞑想や簡単な体の動きを伴う瞑想)から始まります。
慌ただしい日常生活を送っていると、プログラムに参加していても、心は今までやっていたことや、これからやらないといけないことに移ろいがちです。
各クラスの初めにプラクティスを行い、今この瞬間の感覚に注意を向けることを通じて、身体だけでなく心もプログラムに到着しよう、という意味合いがあります。
マインドフルネスの定義を再確認
今この瞬間実際に起こっていることに
特定の方法で
注意を向けることジョン・カバットジン
参加のガイドラインを再確認
皆さんに安全にプログラムに参加していただくため、またMBSRの体験を実り多いものとするためのガイドラインについてもここで再確認します。
何があなたをここに連れてきたのでしょうか?
参加者の皆さんはそれぞれ、突然MBSRに参加したわけではなく、参加に到るきっかけがあったはずです。
それを自身に問いかけてみる作業をやっていただきます。
イライラをなんとかしたかったから?
頭をスッキリさせたかったから?
MBSRの講師になりたかったから?
人それぞれ異なるはずです。
1回目の問いかけが終わったら、さらにもう一度自分に問いかけてもらいます。
もしかして答えは変わるかもしれませんし、そのままかもしれません。
2回目の問いかけが終わったら、さらにもう一度問いかけてみます。
このように3度自分に問いかけて、答えはどう変わるでしょうか?あるいはそのままでしょうか?
もしかしたら自分が思いもかけない理由に気づくかもしれません。
試しにやってみましょう、というのがここで行うことです。
グループでのシェアリング(共有)
ここでは一人一人、先ほどの自分自身への問いかけから得たものをグループと共有する時間があります。
あまり身構えず、今実際に心に存在していることを、そのまま話せば大丈夫です。
ここには正解や不正解はありません。
自分が話すときは話していることに気づきながら、そして聴くときは聴いていることに気づきながら、シェアリングを行います。
立位のヨーガ
ここで、簡単なヨーガのポーズをみんなで一緒にいくつか行います。
(MBSRではなぜか、ヨガではなくヨーガと呼ばれることが多いですが、あまり気にしないでください。)
MBSRのヨーガは、もしかしたら皆さんがイメージしているヨーガとはだいぶ異なるかもしれません。
MBSRのヨーガはポーズを上手くとることや、身体を柔らかくすることが目的ではありません。
筋力に自信がなくても、バランス感覚がなくても、体が硬くても、心配しないでください。
ここではむしろ、自分が身体を動かしていることに気づくこと、そして身体の感覚に気づくこと、ポーズに伴って生じる思いや感情に気づくことを大切にします。
長い時間をとった立位のヨーガの正式な紹介はプログラムが進むと出てきますので、ここでは詳細は割愛します。
また痛みなどの理由で「今の自分にとってこのポーズを行うことは適切ではない」と感じる場合は、そのポーズをやらなくても構いませんし、適宜自分に合った形に変えても大丈夫です。
このように自分のための選択を自分自身で行うセルフケアの精神を培うこともMBSRのヨーガの特徴です。
イメージだけ持っていただくため、図を引用しておきます。
レーズン・エクササイズ
これは「食べる瞑想」とも言われるプラクティスですが、MBSRでは題材としてレーズンを使うことが恒例になっています。
我々は毎日食べるという行為を行っていますが、食べ物を口に運びながらいつの間にか別のことを考えたり、テレビに夢中になったりと、もしかしたら「食べる」ということをしっかり体験できていないかもしれません。
ここでは五感を通じて「食べる」ことで、我々が普段レーズンと呼んでいる見慣れたこの物体を、改めてフルに体験してみます。
具体的には視覚・触覚・嗅覚・聴覚・味覚を順番に使ってこの物体を感じとってみます。
どんな感じがするでしょうか?普段の食事との違いはあるでしょうか?
当たり前すぎる毎日の行動の中に、新しい視点のヒントが隠されている可能性を一緒に探究してみます。
ボディスキャン
ここではMBSRにおける正式なプラクティス(毎日時間と場所を確保して行うプラクティス)の一つであるボディスキャンが紹介されます。
ボディスキャンではマットの上に仰向けになり、足先から頭のてっぺんまで、体の各部分の感覚を順番に観察していきます。
普段は注意を向けない部分の身体の感覚に気づく機会となるだけでなく、いつも不快に感じる感覚(例えば腰痛や手の痺れなど…)との新たな関係性を育む機会ともなり得ます。
更に、日常生活における不快な出来事に向き合う際のヒントも得られるかもしれません。
普段の感じ方は一旦脇に置いて、いまこの瞬間の身体の感覚を、順番に観察してみることで、どのような変化が起こるでしょうか?あるいは何も変わらないでしょうか?試してみましょう、というのがここでの提案です。
試しに先ほど出てきた「マインドフルネスの定義」に当てはめてみると
判断しない態度で(普段の感じ方はいったん脇に置いて)
今この瞬間起こっていることに(いまこの瞬間の身体の感覚に)
特定の方法で(講師がガイドするように決まった順番で)
注意を向ける
ということでマインドフルネスを培うプラクティスになっています。
家庭でのプラクティスの確認
MBSRでは毎週課題が出され、家庭でのプラクティスが求められます。
第1週の課題は以下のものです。
・ボディスキャンを音声ガイドに沿って毎日行う
・9点パズルを解く
・1日1度の食事をマインドフルに食べる
順番に説明します!
ボディスキャン
講師が吹き込んだ約45分のガイド音源を配布します。
家庭では次回のセッションまで毎日 (少なくとも週6回以上)、音源を聴きながらボディスキャンを行って頂きます。
9点パズルを解く
9点パズルとは、次のようなものです。
単に解くだけではなく、解いている際の自分の気持ちの動きや、体の感覚にも注意を向けてみます。
解決しなければならない問題があるときに、いつも決まって浮かんでくる考えはあるでしょうか?うまく問題が解決しないときの体の感覚はどんなものでしょうか?
自分の「いつもの決まった反応」に気づくきっかけになるかもしれません。
マインドフルな食事(マインドフル・イーティング)
レーズンエクササイズのところでも触れたように、我々はついつい食事中もテレビを見たり、別のことを考えたりしています。
ここでは1日に1回の食事をマインドフルに摂ってみましょう、ということが提案されます。難しければせめて最初の数口だけでも、マインドフルに味わって食べてみます。
日々の生活の一つ一つの動作に意識を向け、マインドフルな時間を増やすきっかけになるかも知れません。
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文字で読んでも実際に体験してみないと分かりにくいですよね😅
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