MBSR解説③ 第2週クラス

MBSR

MBSR(マインドフルネスストレス低減法)に興味があるけど、なかなか一歩を踏み出せない…

どんなことをするのか気になる…

 

このシリーズではそんなあなたのために、医師・MBSR講師である著者が、8週間のMBSRプログラムでは具体的に何をするのか週ごとに説明していきます✏️

今回の記事では前回の記事で書いた第1週に続き、第2週についてその概要を説明していきます!

前回の記事↓

MBSR解説② 第1週クラス
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)に興味があるけど、なかなか一歩を踏み出せない… どんなことをするのか気になる… このシリーズではそんなあなたのために、医師・MBSR講師である著者が、8週間のMB...

(※本シリーズは米国Brown大学のMBSRカリキュラムガイドを参考に作成しました。講師の裁量でこの通りにならない場合もありますので、ご了承ください🙇‍♂️)

まずはMBSRの全体像を知りたいという方はこちらの記事をどうぞ。

MBSRとは?(マインドフルネスストレス低減法)
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)とはマインドフルネスを通じてストレスを低減する8週間のプログラムです。アメリカのジョン・カバットジン博士が1979年に開発しました。 この記事ではマインドフルネスの代表的プログラムであるM...

著者プロフィール

植田真史 医師・MBSR講師📖
プロフィールはこちらからどうぞ😊

MBSR第2週の内容

MBSR第2週のコンテンツは以下の通りです。

◯オープニングのプラクティス

◯立位のヨーガ

◯ガイド付きボディスキャン

◯小グループでの対話

◯大グループでの対話

◯9点パズル

◯静坐瞑想の準備

◯静坐瞑想(フォーカスとアンカー)

◯家庭でのプラクティスの確認

順を追って概要を説明していきます!

 

オープニングのプラクティス

今回のセッションもオープニングに注意を集中するプラクティスを行い、「いまここ」に到着するところから始めます。

 

立位のヨーガ

立った姿勢で行うヨーガのポーズをいくつか行います。

MBSRのヨーガの基本的な考え方については次回の記事の臥位のヨーガのところで詳しく書いていますので、ここでは詳細は割愛させていただきます。

ボディスキャン

第1週のクラスで紹介され、さらに自宅でも1週間練習してきて頂いたボディスキャンを、改めて講師のガイドのもと行います。

1人で行うのとみんなと一緒に行うのとでは、異なる体験となるかもしれません。

このようにMBSRでは、プラクティスを一度クラスで紹介して終わりではなく、何度も繰り返し取り上げ、そのとき毎に異なる体験を味わいながら、実践を深めていきます。

小グループでの対話

ここでは少人数(2-3人)に別れて、体験を共有します。

いまやったばかりのボディスキャンについて、そして前回の課題になっていた自宅でのボディスキャンやマインドフルな食事についても自由に話し合って頂きます。

どんな体験だったでしょうか?
大変でしたか?
しっかり時間をとることができたでしょうか?
何か発見したことはありましたか?

1人での自宅練習は心細かったかもしれませんが、他の参加者の方と話すと、もしかしたら

「眠くなるのは自分だけじゃないんだ」
ということに気づくかもしれませんし、

「同じことをやっても、他の人はこんなに感じ方が違うんだ」
という風に感じるかもしれませんね。

また、シェアリング(共有)の際は、話す・聴くという行為のそれぞれをマインドフルに行うようにしてみます。

大グループでの対話

引き続き全体グループでもシェアリングを続けます。

多くの人の言葉を聴くにつれ、瞑想中に困難はつきものであることに気づいてくるかもしれません。

眠さ、脚のしびれ、注意がすぐに逸れてしまうこと…

MBSRではそんな “嫌な” 出来事も含め、瞑想中に起こる全てのことを好奇心や思いやりをもって観察してみることを提案します。その出来事との関係性にどんな変化が起こるでしょうか?それとも何も変わらないでしょうか。実験のようなつもりでやってみませんか?

もしかしたら、他の人が「集中できた」と言っているのを聞いて、「自分はダメだ」という思いが浮かんでくるかもしれませんね。

でもここでは、その “嫌な” 思いさえも好奇心と思いやりをもって観察してみましょう。

9点パズル

第1週で課題として出された9点パズルです。

 

ここでは9点パズルの答え合わせをすることが目的ではありません。

このパズルを通じてどんな体験をしたかをみんなと共有してみましょう。

解いているときにどんな思いが浮かんできたでしょうか?

「楽しいな」
「パズル苦手なんだよね〜」
「なかなか上手くいかないな」 ….などなど

解けたときはどんな感じがしましたか?体の感覚はどうでしたか?

そして解けなかった方は、他の方の回答を見たときにどんな感じがしましたか?

解答は実際に参加されたときのお楽しみとしますが…(笑)
解くにあたってはどんな考え方が必要だったでしょうか?あるいは回答にたどり着くのを邪魔していた考え方はありましたか?みんなとディスカッションして学び・体験を深めていきます。

静坐瞑想の準備

座って行う瞑想である静坐(せいざ)瞑想の準備です。静坐瞑想は今回の自宅練習から少しずつやって頂きますので、ここで姿勢に関してお伝えします。

まずは以下の図をご覧ください。

画像2

座る際は椅子でも、床の上でも構いません。

椅子の場合はA.のように背筋を真っ直ぐに伸ばし、可能ならば背もたれを使わないようにします。また両足が地面に平らにつくようにします。

床の場合はお尻の下にクッションを引いて腰の高さを上げた上で脚を組みます。特に組み方の指定はありませんが、B.に示されているように足を前後にずらす安座(あんざ)と呼ばれる姿勢は比較的脚が痺れにくいです。

あるいはC.のように正座にクッションを挟んだような姿勢でも構いません(この姿勢のための座椅子も販売されています)。

また、必ずしも上記のどれかの通りにしないといけない、ということはありません。ご自身が無理なく座っていられる姿勢を探して頂きます。例えば背もたれを使わないとつらい場合はそうして頂いても構いませんし、座ること自体がつらい場合は横になった姿勢で行って頂いても構いません。

決められた姿勢を達成しようとすることよりも、初回の記事(オリエンテーション編)でお伝えしたセルフケアの精神が重要です。

静坐瞑想(フォーカスとアンカー)

ここでは座った姿勢で、注意を集中する瞑想を10〜15分行います。注意を集中するといっても、どこに注意を集中するのでしょうか?

MBSRでは注意を向ける対象のことをフォーカス(焦点)と呼びます。フォーカスはいろいろな対象から選ぶことができます。

例)
・呼吸の感覚
・身体が接している場所の感覚
(お尻が椅子やクッションに接している場所など)
・手や足の感覚
・音の感覚
・視覚的に1点を見つめる など…

講師のガイドに沿っていろいろなフォーカスを試してみて、自分にとって注意を集中しやすく、自然で落ち着きやすい対象を見つけます。

このような対象はフォーカスの中でも特にアンカー(錨)と呼ばれ、瞑想中に注意が逸れたときや気持ちがつらくなったときに戻ってくるよりどころとしてもっておくと瞑想がやりやすくなります。

今回の練習では自分にとってのアンカーを探ってみます。もちろん今回見つからなくても大丈夫です。アンカーの探索については今回の自宅練習にも含まれていますので安心してください。今後試行錯誤しながら落ち着くところに落ち着いてくるはずです。

またアンカーは1つである必要はありません。時と場合によって注意を戻しやすい場所が違ったりしますので、アンカーの選択肢を複数もっておくのもおすすめです。

家庭でのプラクティスの確認

第2週の課題は以下のものです。

・ボディスキャンを音声ガイドに沿って毎日行う
・静坐瞑想(アンカーの探索)
・日常動作をマインドフルに行う
・マインドフルな食事
・嬉しい出来事カレンダーに記入する

順に説明していきます!

・ボディスキャン 
ボディスキャン(40-45分)は第1週に引き続き今週も課題になっています。
音源に合わせて行います。

・静坐瞑想(アンカーの探索)
こちらのプラクティスは音源がありません。タイマーを設定して1日10〜15分間、ご自身でアンカーを探索してみましょう。ボディスキャンの前または後にくっつけて行ってもよいですが、別のタイミングで行っても構いません。ご自身の生活に合わせてプラクティスを調整するのも広い意味でプラクティスです。

・日常動作をマインドフルに行う
日常動作を1つだけ選んで、それを1週間毎日マインドフルに行います。
例)
洗顔
歯磨き
シャワー
食器洗い
犬の散歩
庭掃除

なんでも構いませんが、毎日普通にやっていること、シンプルなこと、短いことの方がおすすめです。時間をとって行う練習の間だけでなく、何気ない日常生活の中にもマインドフルネスを浸透させていくきっかけとなります。

・マインドフルな食事
余裕があれば、先週に引き続きマインドフルな食事のプラクティスを続けても構いません。

・嬉しい出来事カレンダーに記入する
嬉しい出来事カレンダーという以下のような書式を渡されますので、そこに毎日記入して頂きます。枠が狭い場合は別にメモしても構いません。

画像3

字が小さいので、上部の項目を以下に再掲しますね。

①どんな出来事でしたか?
②それが起こっているときに、嬉しい感情に気づいていましたか?
③その体験の間、身体はどんな風に感じましたか?感覚を詳しく書いてください。
④そのときにどんな気分、気持ち、思いがありましたか?
⑤これを書いている今、どんな思いや考えがありますか?

記入例)
月曜日
①しばらく使っていなかったバッグの中から5千円札を見つけた。
②気づいていた。
③お腹が少し暖かくなった。顔の筋肉が緩んだ。脚はムズムズする感じがした。
④嬉しい気持ち。予想外でビックリした。「こんなところに入れていたなんてすっかり忘れていた」という思いが浮かんだ。
⑤この5千円札を入れたときの同窓会の雰囲気が思い浮かんでいる。

気分と気持ちの違いは?思いと考えの違いは?と色々考えてしまうかもしれませんが、あまり細部にこだわらずに、思い浮かんだありのままを書いて頂ければ大丈夫です。

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