MBSR(マインドフルネスストレス低減法)に興味があるけど、なかなか一歩を踏み出せない…
どんなことをするのか気になる…
このシリーズではそんなあなたのために、医師・MBSR講師である著者が、8週間のMBSRプログラムでは具体的に何をするのか週ごとに説明していきます✏️
今回の記事では前回の記事で書いた第2週に続き、実際のプログラムの第3週についてその概要を説明していきます!
前回の記事↓
(※本シリーズは米国Brown大学のMBSRカリキュラムガイドを参考に作成しました。講師の裁量でこの通りにならない場合もありますので、ご了承ください🙇♂️)
まずはMBSRの全体像を知りたいという方はこちらの記事をどうぞ。
著者プロフィール
MBSR第3週の内容
MBSR第3週のコンテンツは以下の通りです。
◯オープニングのプラクティス
◯臥位のヨーガ
◯静坐瞑想(フォーカスとアンカー)
◯グループでの対話
◯歩行瞑想の紹介
◯嬉しい出来事カレンダーの振り返り
◯家庭でのプラクティスの確認
オープニングのプラクティス
今回も「いまここ」に到着するために、プラクティスから始まります。
臥位のヨーガ
MBSRのヨーガは大きく分けて2種類、主に横になって行う臥位のヨーガと主に立って行う立位のヨーガがあります。
第3週では正式なプラクティス(決められた時間をとって行うプラクティス)としての臥位のヨーガが初めて紹介されます。
MBSRのヨーガは、皆さんのイメージとは少し異なるかもしれません。
特定のポーズを上手にとることや、身体を柔らかくすることは目的ではありません。ここではシンプルな動きに伴って生じる身体の感覚・そして思いや感情そのものに注意を向ける練習を行います。
ボディスキャンと比べると、身体の動きの有無はありますが、いずれも気づきの練習です。身体の動きの練習ではないということです。
どんなポーズをするのか文字だけでは伝わらないと思いますので、以下に図版の一部を引用します。
ガイドに沿って、およそ45分程のプラクティスとなります。
以前の記事からの繰り返しにはなりますが、ここでも自分の限界を超えない、今の自分にとって適切でないと感じる動きは講師のガイドであっても行わない、というセルフケアの精神が重要となります。
静坐瞑想(フォーカスとアンカー)
自宅での課題となっていた静坐瞑想をここでもう一度一緒に行います。自分なりのアンカーは見つかったでしょうか?
グループでの対話
今まで行った臥位のヨーガや静坐瞑想に関する対話をグループで行います。
ヨーガの後の瞑想はどうでしたか?気持ちのよい体験、不快な体験も含めて直接体験したことを、共有してみましょう。
「こうであってはならない」「こうであればいいのに」という思いが浮かんだとしたら、その思いにも気づきながら共有してみます。
発言の際に「上手くまとめてから言わなきゃ」という気持ちがあればそれにも気づきつつ、あまり気負わずに、そのときそのときに心に浮かんできたことを言葉にしていけば大丈夫です。
歩行瞑想
歩行瞑想は、その名の通り歩きながら行う瞑想です。でも歩きながら行う瞑想とはどんなものでしょうか?
私たちは普段、何かの目的を持って歩いています。職場に行くため、買い物に行くため…などなど。
変な話ですが、歩いているということに気づきながら歩いているということがどれくらいあるでしょうか?
歩きながら、心はもう目的地に行ってしまっていたり、これからするべきことを考えていたりするものです。
ここでは、何かのためではなく、「ただ歩く」ということを行います。
歩きながら、歩いているときの身体の感覚、そして浮かんでくる思いや考えに気づいているようにします。
ですので目的地は設定せず、室内をグルグルと回ったり、一直線の上を往復したりして行います。
歩くスピードは、ゆっくりでも、速く歩いても構いません。
気づきがどのように変わるでしょうか?
あくまで自分のなかに起こることに気づく練習ですので、足元を見ないようにします。
前方をまっすぐ見て、周りの様子に視線を奪われてもまた前方に戻します。
「ただ歩く」と言っても、様々な思いや考えが浮かんできます。それに気づいたら再び、淡々と、歩くという行為に注意を戻します。
このようにして、今起こっている身体の感覚・思い・考えに気づく力、「今ここ」に留まる力を養います。
歩行瞑想は10分程度時間をとって正式なプラクティスとして行うこともできますし、日常のプラクティスとして行うこともできます。普段毎日行っている歩行を「今ここ」に戻ってくるきっかけにすることができます。
嬉しい出来事カレンダーの振り返り
(再掲)
ここでは、前回の課題となっていた嬉しい出来事カレンダーをグループで振り返ります。
嬉しい出来事が起こったときにそれに気づいていたでしょうか?
そのとき、またそれを思い出したときの体の感覚や思い・考えはどんなものだったでしょうか?
嬉しい出来事が終わってしまって、振り返ると今度は寂しい気持ちになったという方もいるかもしれません。
嫌な出来事の方を先に思い出して、なかなか嬉しい出来事が思い出せなかったという方もいるかもしれません。
実は、嬉しい出来事をたくさん起こるようにして嫌な出来事を減らす、というのはマインドフルネスの目指すところではありません。
嬉しい出来事を求めすぎてしまうと、それを失ったときにつらい思いをすることになるかもしれませんね。
また嫌な出来事をなんとかしようと考えるほど、嬉しい出来事に気づく余裕がなくなってしまうかもしれませんね。
嬉しい出来事にこだわりすぎることなく、また嫌な出来事に捉われすぎることなく、嬉しいことを嬉しいこととして楽しむとはどんなことでしょうか?
グループでの共有を通じて、重層的に学びを深めていきます。
家庭でのプラクティスの確認
第3週の課題は以下のものです。
・臥位のヨーガとボディスキャンを毎日交互に行う(ガイドあり)
・静坐瞑想を1日20分(ガイドなし)
・日常のちょっとした瞬間に気づく
・嫌な出来事カレンダーに記入する
順に説明していきます!
臥位のヨーガとボディスキャン
今回紹介した臥位のヨーガの45分程度の音源が配布されます。この音源と、第1週に配布したボディスキャンの音源を使って、臥位のヨーガとボディスキャンを隔日で交互に行って頂きます。
静坐瞑想
前回に引き続き静坐瞑想を今度は1日20分程度行います。こちらはガイドなしで行います。
日常のちょっとした瞬間に気づく
日常のちょっとした瞬間に気づくよう心がけてみましょう。例えば歩いている瞬間、食べている瞬間、仕事をしている瞬間。その瞬間、そのことをしていることに気づいているでしょうか?
そして、もし気づかずに心ここにあらずの状態になっているとしたら、どういう状況でそれが起こりやすいでしょうか?
嫌な出来事カレンダーに記入する
今週は嫌な出来事カレンダーとなります。やり方は先週の嬉しい出来事カレンダーと同じです。
字が小さいので、上部の項目を以下に再掲しますね。
①どんな出来事でしたか?
②それが起こっているときに、嫌だという感情に気づいていましたか?
③その体験の間、身体はどんな風に感じましたか?感覚を詳しく書いてください。
④そのときにどんな気分、気持ち、思いがありましたか?
⑤これを書いている今、どんな思いや考えがありますか?
火曜日
①職場の同僚に嫌味なことを言われた。②そのときは怒りに呑み込まれて気づいていなかったと思う。後からだんだん気づいた。③頭に血が上る感じ。体温が上がる感じ。呼吸が早くなった。④最初の瞬間はショックだった。すぐに怒りに変わってきた。⑤「なんであんなこと言われないといけないの?」という思い。今思い出しても腹立たしい。
このように嫌な出来事といっても、腹立たしいことでもいいですし、悲しいことでもいいですし、つらいことでも大丈夫です。
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