MBSR(マインドフルネスストレス低減法)に興味があるけど、なかなか一歩を踏み出せない…
どんなことをするのか気になる…
このシリーズではそんなあなたのために、医師・MBSR講師である著者が、8週間のMBSRプログラムでは具体的に何をするのか週ごとに説明していきます✏️
今回の記事では前回の記事で書いた第4週に続き、第5週についてその概要を説明していきます!
前回の記事↓
(※本シリーズは米国Brown大学のMBSRカリキュラムガイドを参考に作成しました。講師の裁量でこの通りにならない場合もありますので、ご了承ください🙇♂️)
まずはMBSRの全体像を知りたいという方はこちらの記事をどうぞ。
著者プロフィール
MBSR第5週の内容
◯オープニングのプラクティス
◯立位のヨーガ
◯静坐瞑想(40分以上)
◯中間の振り返り
◯グループでの対話
◯家庭でのプラクティスの確認
順に解説していきます💨
オープニングのプラクティス
今回も短めのプラクティスから始まります。身体だけでなく心も「今ここ」に到着します。
立位のヨーガ
続けて立位のヨーガからいくつかのポーズを行います。
このように立位のヨーガのポーズが回を分けて少しずつ紹介されていきます。
静坐瞑想
前回まで時間をかけてアンカーを培ってきましたが、今回はそれを土台としながら、40分以上の時間を取って様々な対象にフォーカスを動かしてみます。
対象としては呼吸、身体の感覚、音、そして思いや感情といった心の中で起こる出来事を順番に選びます。
特に心の中の出来事を観察の対象とすることは今までありませんでしたので、ゆっくりと時間をかけて行います。
また、終盤には観察の対象を選ばず、意識にのぼってくるものをのぼってくるままに観察するチョイスレス・アウェアネス(選択しない気づき)ということも試みます。
最後に呼吸に再び戻り、プラクティスを終えます。
40分以上の時間をかける静坐瞑想のプラクティスが以上のように今回正式に紹介されることとなります。
グループでの対話
ここではいくつかのことについてグループでシェアリングを行います。
長い静坐瞑想について
先ほど行った今までより長い時間の静坐瞑想について、大変だったこと、新しい発見など、感想や思いをシェアします。
中間地点に到達したことについて
今回の第5週は、MBSRの全9回のセッション(第1週〜第8週+第6と7週の間の終日クラス)のちょうど中間に当たります。
これまでのプラクティスやセッションについて、そしてこれからどのように取り組んでいくかについて、自由に共有します。
自分の思っていた通りの結果が現れずヤキモキすることもあったかもしれません。
もしくは自分が予想もしていなかった効果が現れたかもしれませんね。
このように瞑想とその結果の関係は必ずしも自分の期待する通りにならない(100%コントロールすることはできない)ものですが、自分が何に注意を向け、どの行動を起こすかは選択することができます。
他の参加者と共有することで、新たな視点からの発見があるかもしれません。
「自動的/習慣的なストレス反応に気づく」という前回の課題について
特段変えようとはせずにいつものストレス反応に注意を向けるという行為で、ストレッサーとの関係は変化したでしょうか?
ここでは対話を通して、単に「気づきを向ける」という行為をきっかけにいつもの”上手くいかない”パターンに変化が生まれる可能性について探ってみます。
また、ここでストレスを感じたときのためのS-T-O-P(ストップ)という手法を紹介することもあります。
Stop 止まるTake a breath 一呼吸おくObserve 観察するProceed 次に進む
S-T-O-Pに関する詳細は別の記事を執筆予定です✏️
中間の振り返り
先ほどは口頭でのシェアリングを行いましたが、ここでは紙に書き出すことで、これまで起こったことを振り返り、これからの展望について思いを巡らせます。
書いて頂いた振り返りを講師に提出することで、フィードバックを受け、困っていることがあれば相談することができます。
家庭でのプラクティスの確認
第5週の課題は以下の通りです。
・静坐瞑想と他のプラクティスを毎日交互に行う(ガイドあり)
・引き続き自動的/習慣的なストレス反応を探求する
・困難なコミュニケーションカレンダーに記入する
順に説明していきます!
静坐瞑想と他のプラクティスを毎日交互に行う
今回立位のヨーガと静坐瞑想の音源(各45分程度)が配布され、これで4種類全ての音源が出揃ったことになります。
ボディスキャン・臥位のヨーガ・立位のヨーガ・静坐瞑想です。
今週は静坐瞑想と他の3種類のプラクティスを毎日交互に行っていただきます。
月曜日:静坐瞑想火曜日:ボディスキャン水曜日:静坐瞑想木曜日:臥位のヨーガ金曜日:静坐瞑想土曜日:立位のヨーガ
引き続き自動的/習慣的なストレス反応を探求する
前週に引き続き、ストレス反応の瞬間に注意を向けることを続けます。
今週はもう少し積極的に、優しく好奇心を持ってその瞬間を観察してみます。
そして今までの自動的なパターンとは異なる、新しい対応法があるかを探ってみます。
対応を探るための”間”を意識して作るために、プラクティスで培ったアンカーに戻る技法や、今回紹介されたS-T-O-Pの技法を用いてもよいかもしれません。
困難なコミュニケーションカレンダーに記入する
困難なコミュニケーションカレンダーという以下のような書式に記入して頂きます。
字が小さいので、上部の項目を再掲しますね。
①どんなコミュニケーションだったか詳しく書いてください。誰と?何について?
②その困難さはどうやって起こったのでしょうか?
③あなたが望んでいたことは?それは実際にはどうなりましたか?
④相手が望んでいたことは?それは実際にはどうなりましたか?
⑤コミュニケーションの間、そして後にどのように感じましたか?
⑥問題は解決しましたか?していない場合、解決するとすればどういう形でしょうか?
水曜日
①上司に「資料作っといて」と言われた。
他の仕事も山積みだったので、どうやって断るか一瞬で考えを巡らせたが、間が持たず「いつまでですか?」と聞いてしまった。
「金曜までにお願い」と言われてそのまま私が引き受けることになってしまった。②上司が私の仕事量とキャパシティを把握してくれていないこと、私がはっきりと断れなかったことに原因があると思う。③資料作成を本当は断りたかったが、実際には引き受けることになってしまった。
④上司としては私に資料を作って欲しかった。
実際に私が作ることになったので上司が望んだ通りになった。
⑤上司に声をかけられた瞬間、頭が真っ白になって冷や汗が出る感じがした。
「どうやって断ろう」と短い間で考えたが、うまい応答が思い浮かばず、「いつまでですか?」と聞いた瞬間「しまった」と思った。
その後、「私ってどうしていつも引き受けてしまうんだろう」と自分を責めてしまった。
体が重たく感じた。
⑥上司にとっては解決しているが、私にとっては解決していない。
突然声をかけられると上手く立ち振る舞えないので、言い回しを決めてとっさの時にも断れるようにすればよいかもしれない。
自分の仕事の量をちゃんと説明すれば、意外と他の余裕がある人に仕事を振ってくれるかもしれない。
上記はあくまで一例で対面の会話によるコミュニケーションですが、電話やメール、LINE、最近ではZOOMなど、別のツールによるコミュニケーションでも大丈夫です。
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